霊能漫画みたいなの書いてます。物語のネタ思いついたのでメモ。
Outlookkk.com
~霊能力者団体2BO 管理部宛~
To:2bo_kanribu_reinouryoku@ggggmail.com
from:GentleGirllllllll@gggggmail.com
title:普遍的空間の件について
お疲れ様です。
GentleGirlです。
TELにてご連絡した件の詳細をメールでお送り致します。
ご都合よろしいときにご確認いただき、
今後の当課への指令について、ご返信いただきたく思います。
~~~~以下、会議をテープ起こししたもの~~~~~
ちょうど卒業式だった。
皆同じ方向に一斉に歩き出した中、
一人だけ真逆を向いてうずくまる奴が、学校に一人くらいはいるもんだ
そう、ここにもいた。そいつが今回の俺のターゲットだった。
だが少し様子がおかしかったよ
その手には革靴の足跡がたくさんついて真っ黒になった、旗をもっていて
棒の部分にはロープが結びつけられていて
綱引きしてる
つながってる先は、この世界そのものだ
引っ張れっこない バカだ
そいつの手はもう血まみれで、飲まず食わずで引っ張っていたら、今にも死にそうだ
だけど引っ張ってるうちに、そのロープが切れるくらいには頑張れた
そしたら、そいつは世界の真逆に向かって歩き出しちゃった
何が書いてあるか分からない、汚い旗を掲げて。
今回は俺がそいつの脳みその中に忍び込んで、何を考えてやがったのかを
暴いてやった話をしようと思う
そいつが、旗を引っ張ってさ・・・。
そうして、世界と引っ張りあいっこしてたら、うっかり、たどり着いたという、
そいつの呼ぶ「世界の外側」って名前の場所に何があるかっていうと、
何もない場所 時間も流れない妙な場所だった
そこは生暖かくて、オレンジ色の夕陽のような光がふんわり差してて、
まるでぬるま湯に浸かってるみてーに、居心地が良いのか悪いのか。
まったく、イカレた場所だったぜ。
そいつはその場所に、
自分が世界に「あったらいいな」とか「いたらいいな」と思う理想の
生き物や、概念を作り出す力があった。
「もっと、たくさんあったらいい」と思っていた
人の優しさや、愛だとか、小難しい人の心もそこに並べた
どうやら、
できるだけ悲しい気持ちになって、できるだけ可哀想なやつを描いて、そこに浮かべたりもしているようだった。
そいつは、世界の外側で、
自分だけの理想の世界を作っているのだと、俺は最初は思ったが、
間違いにすぐに気づいた。
そいつは、
たくさんの部品を組み立てて何か大きな機械を作る人のように、
悲しみの中に意味を見出そうとする、
思考の実験をやっているのだと、俺は悟った。
悲しみに意味を見出すことで、自分を慰めているのだろう、と俺は結論づけた。
でも、どうやらそれも違うらしい。
そいつの顔が、まるで、ごく優しい母のような表情をしていたからだ。
俺が最後に思ったのは、いや、
そいつ自身、自分が何の目的で世界と綱引きなんかしてたのかは分からなかったことだが、
きっと全ては弔いの儀式だったのだろう。
そいつは、自身が目にしたり耳にした、他の誰かの辛い境遇や、
どうしようもない物語の全てに、意味を見出そうとしていた。
決して誰も、弔おうなどとは思わなかった、忌むべき魂のために。
命はしゃぼん玉のようにぷかぷかと浮かんで、
たまに、ぶつかり合って喧嘩をして、花火のように美しく弾け消えたりした。
その花火を美しいとか、悲しいとか言って涙する、人の思念のようなものが、
しゃぼん玉の中に住んでいることもあった。
俺は、そいつが作る無数のしゃぼん玉をボーッと眺めていた。
色々なストーリーがあって、人の一生のように思えた。
弾け飛んで消えていくもの、どこまでも漂って見えなくなってしまうもの。
しかし、しゃぼん玉は、みな同じ方向へ飛んでいく。風があるわけでもないのに。
俺の目には見えない、流れがあるらしい。
その中で、たった1つ、こっちにむかって戻って来るのがあった。
ドス黒くて、いかにも呪われてるって感じのシャボン玉だ。
近づいてくると、泣き叫ぶ声が俺の耳にも聞こえたぜ。
チビりそうだった。
そしたらだよ。
そいつは突然、ずっと持っていた旗を、指で弾いたんだ。
そしたら、旗から真っ黒いシャボン玉がボコボコと音を立てて、
その場を埋め尽くすほど大量に溢れ出してきたんだ。
その全てが、呪われてやがる。呪いの黒い玉だ
おしまいだ、この世界にあった、
愛に溢れる命や、美しい概念は全て、呪に覆い尽くされて消えちまう。
綺麗な草花が怯え、純粋無垢なシャボン玉も、漂うことをやめて、恐怖のあまり、
その場で凍りついたように動かなくなった。
もうダメだ、そう思った時
「そいつ」は、ギロチンを作り出した
これまで、
オレンジ色の「世界の外側」の中には1つとして、
元の「現実世界」にあったような人工物はなかったというのに。
黒いシャボンが多すぎてよく見えないが、
刃が落下する気配がした
俺は目をそむけた
ガシャンという音が耳に残る
突如、電子音が鳴り響く
ゲームセンターでゲームをクリアした時のような、達成感を感じさせるようなメロディが、
ギロチンから流れてきた。
なんて悪趣味なのだ。
そして、笑い声。その笑い声は、黒いシャボン玉たちのものだった。
ギロチンに目を向けると、破裂させられて死んだのも、黒い魂だった。
俺は何が起きているかも分からないまま、
次々と、黒いシャボン玉がギロチンにかけられて死んでいくのをただ見ていた。
黒玉たちは、笑いながら死んでいく。
笑いは伝染し、気がつけば俺も人の死を見て笑っていた。
10人くらい死んだところで、「そいつ」は演説を始めた
「今みんなの中にあるのが、安心感と呼ばれるものです それが幸せそのものです」
「恐怖の裏側にあるもの」
「でももしも、その恐怖を感じないくらい、アナタがバカだったら・・・?」
「そう、私と同じくらいバカだったら・・・・?」
指パッチン
「そう、あなたは本当に正真正銘の自由になるのです」
そいつはその瞬間、
ハリー・ポッターかなんかで出てきそうな老賢者のような姿に変化した
オレンジ色の世界はもう一度の指パッチンで消え失せ、
銀河を背景に俺と目があった。
俺がそいつの脳みその中に侵入していることを、どうやら気づいていたらしいな。
宴会で使うような鼻眼鏡を、どこからともなく取り出して、老賢者は顔面に装着した。
冗談みたいな格好だったよ。
「ここに来れるのは本物のバカだけ」って最後に言われて、
そう言って俺は追い出されちまった・・・。
それっきりだよ。
最後にあいつ、寂しそうな目ぇしてたぜ。
案外、仲間に出来るかもしれねえぜ。
俺が来て嬉しかったのかもな!ガハハ!
~以下省略
・・・・・・・・
上記の回想は、
霊能力者団体「2BO」の幹部会で開催された、
「2BOの方向性に関する談話会」
にて、同団体に所属するマインドハック能力者によって行われたものである。
本件において、
当団体によるマインドハックで、個人の意識内に観測された「世界の外側」なる精神空間が、
個人内的精神空間なのか、人類普遍的精神空間に接続されているか否かの調査を早急に行う事を強く進言致します。
2BO GentleGirl@2BO管理部
TEL:XXX-XXXX-XXXX
mail:XXXXX@gmail.com
~~~~~~~~~~~~
0 件のコメント:
コメントを投稿